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ナンパで時間軸を超える


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ヨドミ「あたしこんな気がするの。あんたとあたしはずーっと昔、なんかつながりがあったのよ。こうやって会えたのもきっと運命なのかもね」―火の鳥 太陽編
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10月上旬



「最後にあれ言って。」



「早く家に帰りなさい。」



駅に着いた。
ありがとうと彼女。



助手席のドアを開ける。
もう2度と会う事はないだろう。



8月上旬



箱に入ったのは22時頃。
ウイング、キタの帝王さんとのコンビも、
もう慣れたものだ。

いつもの高くもないテンションで挨拶。
今夜は即しましょう、黙ってうなづく相方。
これもいつもの光景。
2人は連日の出撃に少し疲れていた。

列に並んでいると、背広姿の若者が後ろに。
「1人で来たの?」と少し会話する。
30分後コンビを組む事になるだけでなく、それから今に至るまで、何度も共に戦う事になる。
それがLEEとの出会いだった。



中に入ってサージング。
帝王さんと逸れる。
1人で周りを見渡し歩いていると、
少し遠くにいた案件が、火の鳥の視界に飛び込んできた。



「誰だっけ?」



大音量の箱の中で独り言。
混雑した人混みに押され、結局彼女を見失う。
引き続き帝王さんを探すため辺りを見渡すが見つからず。
仕方なく逆3案件をオープンしていく事に。



この時の作戦は「今夜はパーティー終わりでここに来たのかい?」
THE GAMEで登場するパーティーオープナー。
というよりこれしかパターンがなかった。



ただ意外とここ大阪でも、このオープンは通用する。

・パーティーという単語へのひと笑い
・なぜ標準語なのかと疑問の返答
・そうだよパーティーとの反応

などポジティブな反応が多く案外有効である。

そして和み、できる限りの数の番ゲをして、
タイミングが来たらブーメラン。
そこから連れ出す流れをイメージしていた。



逆3オープン。和み。
番ゲを行っていく。
途中先ほど出会ったLEEを見つけ、
急造コンビでオープン。

その後もオープンを繰り返していると
1人の男が近づいてきてハイタッチ。
まるで同志だねと会話したかの様に。
彼ともその後何度も一緒に出撃する様になる。
のちのPEKOとの出会い。



そして気付けば9件の番ゲをしていた。
(この数は番ゲを目的に行動したとはいえ、今に至るまでこんな数をこなした事はない。しかし6件死番になるので、結果的に建設的ではない番ゲだった。)



もう数は集まった。
あとは連れ出しのタイミングを待つだけだ。

LEE、PEKOと踊る。
番ゲしている案件達に自分たちの存在を見せつけるかの様に。



その時、目線を感じる。
壁際2人組。
あの人達バカな事してるなと、
呆れた表情でこちらを見ていた。
サージング中に見かけた彼女だった。



そしてやはり思う。
火の鳥はナンパをはじめる前、
いやもっとかなり前に
彼女と出会った事がある様な気がする。


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アポ当日。



15時集合。
番ゲから2ヶ月後。
彼女とのラリーはとてもペースが遅く、
返信が1週間後にあるなどはザラ。
食い付きがあるのかどうかもわならない案件だった。

番ゲの際に火の鳥は
「結婚式帰りでしょ?」
と声かけ。
「なんでわかったの?」
「綺麗なドレス着てるから。」

本当に会話はこれくらいだった。
全く和む時間もなく、彼女は終電があるからと箱を出る。
火の鳥も連れ出したい案件が別にいたので、
今度ゆっくり話そうと交換しただけだった。



そして本当に彼女とは
昔どこかで出会っているのか?
火の鳥は確信を持てていなかった。



車に乗せドライブ。
海辺のカフェへ。
最近のお気に入りの準即パターン。



・1時間程のドライブ中に、2人きりの空間で色々と話せる事。
・お酒をほとんど飲めない火の鳥には、カフェの方が素面で戦え有利な事。
・コストパフォーマンスが良い事。
などこちらに都合の良いコースだ。



ドライブ中に彼女を知る為の会話。
ライフスタイル、価値観を探る。
特に恋愛、セックスへの。

そして自己開示。
少し食い付きをあげるためのエピソードをひとつふたつ。
また彼女に女性として興味がある事を伝えた。

彼女から火の鳥への質問も多くなり、
ボディータッチなどのIOIも感じる事が出来た。



このままいけば勝てる。
勝つイメージを強く。
火の鳥はイメージが具現化する事を信じている。



カフェ到着。
いつもの席でケーキを頼む。
余裕のある所作振る舞いを。

そしてずっと気になっていた事を質問した。



「俺と昔会った事あるよね?」
「それLINEでも聞いてきたけど、あの箱であったのが初だと思う。」
「そうか。気のせいだったかな。」



一安心と少しのがっかりを思う。
会った事ある気がしたのは、
ただの火の鳥の気のせいだった。
しかし目の前には食いつきのある案件。
準即しよう。



そう決意した瞬間、
急に彼女が口を開いた。



「18時には家に帰りたいんだけど。」



火の鳥は彼女の突然の時間制限に、
またはイメージしていなかった想定外の展開に困惑した。



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車の中。会話はほとんどない。
突然の時間制限は火の鳥への拒絶か、
それとも今日は嫌だという事か。
火の鳥は1人思考していた。

時間を逆算するとやむをえなかった。
いつも使うホテルへ向かう。
行き先を告げず、車を勝手に走らせていた。



車内にはジャジーなヒップホップが流れる。
FUNKY DLというアーティスト。



昔、20歳前後。
火の鳥はアメリカ村によくいた。

その頃はヒップホップが主流で、ギャングスタだけではなく、オールドスクールやネイティブタンなども再評価され、レコードショップでは最前列に陳列されていた。

アングラヒップホップやロック、ハードコアなどが流れる箱もありよく仲間と行っていた。
その頃に買ったCDを最近懐かしいなと手に取り、車に読み込ませていたのだ。

また街にはB-BOY、またはストリート系と言われる様なファッションをした若者であふれ、中には高校生の幼い男女達も深夜までうろついていた。



何も言わず車をホテルの駐車場へ。
グタ。
入るだけ入ろう。絶対に嫌だ。
何もしない。嘘よ。
じゃあジャンケンしよう。意味わかんない。
わかった入るけど絶対手は出さないでね。こっちのセリフよ。
彼女が笑う。



「でも少しは良いと思ってくれたから、今日来てくれたんでしょ?」



声のトーンを変えて彼女に。



「絶対に今日行かなかったら後悔するよ。俺1度断られた女とはもう2度と会わない主義だから。」



「何様なの。」彼女が呆れ笑しながら、黙って助手席のドアを開けた。
彼女は火の鳥を拒絶していた訳ではなかった。








部屋に入ると彼女からキスをしてきた。
とても情熱的な彼女とのやりとり。
27歳の彼女はとても積極的で、ペースを奪われた。
また2回戦目も求められる。
火の鳥は応じる事ができなかったが。

でも彼女は行為中に時々寂しげな表情を浮かべていた。
まるで心ここにあらずといった様な。



そして全ての行いが終わると、
彼女がゆっくりと小さく呟いた。



「遂にやっちゃった。」
「実はね、、」



彼女が告白した。



実は結婚している事。
子供がいる事。
旦那の事を心から愛している事。
浮気されていて悲しい事。

あの日は結婚式の2次会終わりで久々にクラブに来ていた事。
そしてLINEは旦那の目の届かない時、
家事の落ち着いた時にしか返せなかった事。
会う事を迷っていた事。



そして高校生の頃にアメ村で、
火の鳥と何度か話した事があるかもしれないと思っていた事。



さっきの車の中でのFUNKY DLで確信した事。




火の鳥の感は当たっていた。
そして完全に思い出した。
高校生なのに毎日夜遊びしていた彼女の姿を。
ダンサーになりたいと言っていた顔を。
三角公園でアイスクリームを買ってあげた事を。



そして顔を合わすたび、
「早く帰りなさい。」
と火の鳥が彼女に言っていた事を。



「おじさん。かっこ良くなくなったね。」
「うるさい。」
「ナルシストなのは変わらないね。」
「黙れ。」



彼女はすっかり大人の女性になり、
火の鳥はかなり歳をとった。
2人で笑う。あの頃の様な関係で。



そして彼女からもう会わない約束をしてきた。
一度きりの過ちだと。
お互い目の前で連絡先を消去した。
その方がお互いの為。



時間オーバー、部屋を出る。
18時には間に合いそうにない。
ママ友に見られたくないからと、
彼女の最寄りの隣駅まで送る。
その道中彼女が呟いた。



「最後にあれ言って。」



「早く家に帰りなさい。」



駅に着いた。
ありがとうと彼女。



助手席のドアを開ける。
もう2度と会う事はないだろう。








2人の最後のドアを閉める直前に、
彼女がイタズラな表情を浮かべる。

まるであの三角公園にいた頃の様な無邪気な。















そして彼女が満面の笑みで、
火の鳥に別れの言葉を伝えた。




























「もし2回目もすぐ出来るくらいの体力があったら、また会ってたかもね。」








「えっ?」






























彼女の背を見送る。






























ありがとう



ドキドキできたよ。。



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コメント

こういう物語調のナンパブログ斬新ですね!

そして、すごく、、、好きです♡

石田衣良の小説かと思いました。。

ナンパでこんな素敵な事が起こるんですね、ドキドキさせてもらいました。

えっと、映画化はいつですか?(^_^;)

火の鳥さんブログ癖になりますね〜(笑)

小説みたいですね。
やっぱ一回一回の出会いにドラマがあると思い出されました。

でもおちがついてるとは笑


今回も引き込まれて
一気に読ませていただきました(^^)

僕も2回戦出来るように
体力付けとかないとです…笑

Re:

ななふしさん、ありがとうございます。
また更新していきます^ ^

Re:

tenchinさん、ありがとうございますm(__)m
石田さんの小説読んでみます。オススメは何ですか?

Re:

フジいさん、いつもありがとうございます。
本当に優しい方ですね笑
また記事にしたくなる様な出会い探します。

Re:

おいなりさん、ありがとうございます。光栄です。
おいブロレベルに行ける様、試行錯誤していきます。

Re:

AKITOさん、ありがとうございます。
昨日出たけど負けました。。まだまだ下手くそです。

Re:

ドログバさん、ありがとうございます。
食生活から変えていきます笑

面白い記事でした。
また更新楽しみにしてます^ ^

読書してる気分になれるブログですねヾ(o´∀`o)ノ
面白いです(●´ω`●)
次の記事も楽しみにしてます!

良いですー!!!!!!!!!

FUNKY DL 懐かしいですね!
ぼくも同じ音楽を聴いてました!

小説のようで魅入っちゃいました(*^^*)

Re:

>ロンブーさん

ありがとうございます。
読んでいただいて光栄です。
ロンブーさんのブログ更新楽しみにしてますm(__)m

Re:

>よっぴさん

ありがとうございます^ ^
ドキドキした事あったらまた更新してます。

Re:

>里四さん

良かったです。
シンプルに褒めていただきありがとうです‼︎

Re:

>ルイスさん

ありがとうございます^ ^
同じ音楽聞いてたとは‼︎
今度お会いできたら、お話ししましょう。

まさに運命ですね!
僕も2回はしんどい年齢ですw
今回も素晴らしい記事でドキドキしました(*´ω`*)

Re:

>1919誠二さん

ありがとうございます^ ^
インターバルあったら、
いける時あるんですけどね笑

No title

初めてコメントさせて頂きます^^
文章うまいですね〜引き込まれます!
ただ相手が配偶者と子どもがいるっていうのが本当に子どもと配偶者の事を考えると心が痛みます。
遊ぶなら独身のうちに独身と遊ぶのが一番ですよね・・・
私はは結婚して子どもがいるので火の鳥さん達ナンパ師さんが羨ましいです^^

Re: No title

>まさきさん

ありがとうございます。
独身、既婚、子供、彼氏、彼女。
火の鳥は常に罪深いですね。
またぜひコメントくださいね^ ^

こんにちは。

素敵な物語に胸キュンですw
最後「もし2回目も〜」の下りで、きんちゃんさんを思い浮かべてしまいました笑

Re:

>どもんさん

ありがとうございます^ ^
きんちゃんさんお会いした事ないですが、
あの方凄いですよね。パワフルですね。

コメントしたつもりになってましたw
引き込まれるような文才、
読ましていただいて心地好いです(^△^)

出会いとは怪奇なものですね!
火の鳥さんにこれからもよい出会いがありますように。

Re:

>マイコーさん

ありがとうございます。
ブログネタになる様な出会いほしいです笑

ドラマの様なストーリー、一気に読めました(^^)d
別れ際の女性の一言…女は割りきり、男はひきずる(/_;)
女性は強いですね!
又ドキドキストーリー期待してます。

Re:

>ジョニーさん

ありがとうございます。
すごく強かったですし、怖かったです笑

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